長崎大学附属図書館の2025年度貸出冊数は前年度比3400冊減の5万6594冊となり、2016年度以降過去最少となったことが長崎大学新聞部の調べで明らかになった。貸出冊数はコロナ禍に急減しその後回復傾向にあったが、2023年度から減少に転じている。学生一人当たりの貸出冊数も減少し、過去10年間で最多だった2018年度の8.28冊に対し、2025年度は5.96冊だった。
長崎大学附属図書館によると、貸出冊数の減少について、「毎年7月に実施しているアンケートの結果を見ると、図書館で4月以降に図書を1冊も借りていない学生の「借りない理由」は、「読む時間がない」「図書館に行かない」「他にすることがある」「本が必要になることがない」という回答が多い」という。「研究や学習の手段が、本から、AIやインターネット上の情報に変わりつつあるのではないか」と図書館ではみている。取材に応じた図書館職員は「2010年代は、図書館で書籍を机に積み上げて学習する学生の姿を多くみかけていたが、ここ2、3年は、パソコンのみで学習を完結させている学生が多い」とコメントした。
貸出冊数が減少しても、積極的に本を借りる学生もいる。25年度、長崎大学附属図書館の本を多く借りた学生を表彰するベストリーダー賞1位に輝いた辻本悠真さん(医学部2年)は、他学部の専門書も置いてある「学生選書コーナー」で普段は触れる機会がない分野の本も借りるようにしているという。辻本さんは、「大学生活は、社会に出る前の最後の自由な時間だと思い、本を読むようにしている」と本と向き合う意義について語ってくれた。コスパやタイパを理由にした読書離れの風潮については、「コスパやタイパを重視すること自体は良いことだと思うし、価値観は人それぞれ」と学生の多様さを認めながらも、「コスパやタイパを理由に読書をしない自分にはなりたくない」と読書意欲を語った。