「原爆学級」の記憶を次世代に伝える催しが16日、日本特別ニーズ教育学会の主催により長崎市立城山小学校で開かれた。原爆学級の卒業生2名と城山小学校の6年生95名が参加し、県外出身の学生にも被害者や当時の状況を知ってほしいと思いを語った。原爆学級の卒業生の語りの後、参加学生は「長崎の原爆学級を最後にする」をテーマにグループで意見交換した。
原爆学級は、長崎市の爆心地から約500メートルの城山小学校(当時・城山国民学校)を中心に1952年4月から6年間、特別クラスとして設置された。被爆した子どもたちの健康な心身の発達を見守ることを目的としていた。日本特別ニーズ教育学会によると、城山小の「原爆学級」は世界で初めての取り組みだった。
原爆学級卒業生の池田靖子さん(84)は、出身地が全国各地に広がる長崎大学の学生に「8月9日が、長崎に原爆を落とされた日であるということだけでも知ってほしい。ただテレビを見るだけでもいい」と語った。同卒業生の藏敷一紘さん(83)も、「元気に過ごしているので、原爆学級のことは、忘れてもらってよか」「被害者や当時の状況を知ってほしい」と述べ、原爆学級の記憶以上に原爆の記憶継承への強い思いを強調していた。
日本特別ニーズ教育学会の高橋智理事(東海学院大学客員教授、東京学芸大学名誉教授)は、今回のシンポジウムの意義について、「全ての学問は、子どもの命が保障されることを前提にしている。その意味で、どの学問を学ぶ学生にも関わりのある問題だと長崎大学学生に伝えたい」と語った。